古めかしい日本語で、少し読みにくいが、内容はすばらしい。鋭敏な洞察を示していて、はっとする箇所がある。カール・ケレーニイの書は、明快なところはいいが、あまりに細かく資料を提示して、全体像が浮かばないきらいがある。煩雑な印象がある。


「ギリシア神話」呉茂一

   [amazon]  [amazon]
子供の頃よく読んでいたのは、トマス・ブルフィンチの「ギリシア・ローマ神話」。大人になってから参考にしていたのは、アポロドーロスの「ギリシア神 話」。ブルフィンチのはオウィディウスの「変身物語」みたいなお話が沢山入っていて、読み物としてとても面白いのだけど、元々は今から英文学を読みたいと いうアメリカ人のために書かれた入門書ですしね。なんていうか、実際のギリシャ神話よりもかなりロマンティックにされてしまっている部分があるんです。そ して逆にアポロドーロスのギリシャ神話にはそういうお話的な面白さは全然なくて、淡々と事実を書き連ねていったという感じ。(もちろん事実ではない部分も 多いのだけど・笑) 古代ローマ人によるギリシャ神話なので、これが一番原型に近いという安心感があるし、資料としてもとても役に立つんですけど、相当! 無機質なので、物語として読むには全然面白くないんです。(笑)

http://cafebleu.vis.ne.jp/ciel/archives/2007/10/28_1700.php

Ciel Bleu